トリパノソーマという寄生原虫が体内で増え、脳に至り髄膜炎症を起こし、最後は昏睡状態となり死に至る病気があります。通称「眠り病」と呼ばれ、アフリカに生息している鋭い針を持ったツェツェバエが人を刺してトリパノソーマを人の体内に入れてしまうことで感染します。感染した初期状態がマラリアに似ているため、眠り病だと気づかず、マラリアの治療を受けている内に手遅れになってしまうことが少なくないため、早めに眠り病だと気づいてもらうための啓蒙用ポスターとチラシを作成して、ザンビアのクリニックに貼ってもらうことになりました。
北海道大学の人獣共通感染症リサーチセンターの山岸潤也先生と林田京子先生からのご依頼で、ザンビアの人たちに「眠り病ではないか」と早めに疑ってもらえるように、病気のしくみをわかりやすく伝えるデザインにしました。
このポスターを見たザンビア政府の方が、各地域の現地語でも作成したいとおっしゃっているそうです。
ザンビアで感染病制圧の活動をされている林田先生が、実際にクリニックの壁にポスターが貼られている様子を送ってくださいました。現地の方も「すごくわかりやすくていい!」とコメントしてくださったとのこと。このポスターで一人でも多くの眠り病感染者の方が命を落とすことなく助かってくださることを祈っています。